■正常分子栄養学 講演記録

 これは、古澤太香子先生による正常分子栄養学の講演内容を録音したテープ
 から入力したものです。
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●正常分子栄養学 講演記録 その1


 私がこれにかかわるきっかけになる出来事を簡単にお話します。

 今から8,9年ぐらい前までは健康ということに関してそれほど興味は持ってお

  りませんでした。自分がまあまあ、そこそこ健康だったということもあります。

 ところが今から8年前に私の父が突然癌にかかりました。

 それまでは癌で亡くなる人はたくさんいましたね。

 だれだれさんが癌で亡くなったのよ、という話はよく聞きました。

 その時に、可哀想にと思いますけれども、可哀想に、そして自分には関係ない、

 という生き方をしていました。ところが父が癌になったわけですね。身内が癌

  になるなんて想像したことはないですね。

 他人事のようにしていましたから。そして父の場合には、発見された時にすで

 に末期の状態でした。肩とか腰とか、もう骨に転移していたんですね。ものす
 
 ごい痛みですね、骨に転移すると。

 致命傷だったのは首の骨に転移していたんですね。

 明日、脳に行っても、明日、下半身不随になってもおかしくない状況です、と

 医者からは言われました。

 明日、脳に行ってもおかしくないということは明日死んでもおかしくないです

 よと。お医者さんからは「あと三ヶ月〜半年の命です」と宣告されました。も

 のすごい痛みでしたね。

 痛みがひどくて緊急入院したわけですけど、そのときに、ベッドに横たわって

 いますよね。病室に入る時にハイヒールでカツンと床をなでてしまうとそれだ

 けで「うー」と痛みが襲ってくるんですね。

 「お父さん大丈夫」って、この息が痛いんですから。「痛いから寄らないで」、

 そうゆう痛さでしたね。

 そしてどうしようもなくて、もう手術は出来るような状態ではありませんで

 したから放射線治療と抗ガン剤とこれしかありません、と言われたんです。

 お医者さんが神様に見えましたから「もうその通りやってください!」と言い

 ました。放射線を当ててとりあえず痛みは収まったんです。その後は抗ガン剤

 投与ですね。

 点滴で当時は一週間くらい入れていったんです。ところが副作用がものすごく

 ひどかったですね。

 吐くんですね。食欲無くて、食べてなくても吐くんです。黄色いような茶色い

 ような胆汁酸とか胃液ですね。

 それが出るわけです。それを見た時に私は、これは癌が死ぬ前に、父の方が先

 に死ぬのではないかと思いました。

 それぐらい副作用がひどかったわけです。絶対こうゆう治療じゃいけないと思

 いました。

 始めて他のことに目を向けるようになったんですね。その時出会ったのが、ほ

 んと僅かの知識しかありませんでした。

 いろんな商品を知っていたわけでもないし、本屋さんかなにかで漁りながら読ん

 だのが、マックス・ゲルソンという人が書いた『ゲルソンの食事療法全書』とい

 う本だったんです。

 マックス・ゲルソンはどういう人かといいますと、アインシュタインの主治医で

 シュバイツァーというノーベル賞をとった博士が「彼ほど天才的な医者はいない」

 とマックス・ゲルソンのことを言っていたんです。

 そのお医者さんが書いた食事療法の本だったんです。『癌の食事療法全書』という

 本だったんですね。

 それを読んで、すごく力づけられました。癌というのは何かウイルスが入ってきて

 癌になるわけじゃないですね。

 昨日まで正常だった自分の細胞が癌化するわけですね。そしてそれは食べ物による

 んだということが書いてあるわけです。そして結局ね、ガン細胞って誰にもある細

 胞なんですね。

 60兆個の細胞の中の一個の細胞の中に、大体36個の癌細部があるそうです。

 それが大体23年ぐらいで、こう臨床例で判るくらいの大きさになるそうですけれ

 ども、それが15年で発病する人一生発病しない人、5歳や生まれた時から癌の人、

 こうゆう人もいるわけですね。

 これは何の差かと言うと、免疫力の差なんですね。

 免疫力や治癒力が高ければ、絶対癌は退化することが可能だ、というふうに書いて

 あったんですね。

 癌はそうゆう不治の病じゃない、ということが書いてあったんです。

 じゃ、免疫力や治癒力を上げていくのは何かというと食べ物でしかないんだ、と言

 うことが非常に判りやすく書いてあったんです。もう、これをやろうと思いました。

 リスクが無いですからね。

 副作用も無いし、もうこれしかないと思ってすぐ父に、

「こうゆう療法があるからやってみないか」と言ったんです。

 そしたら「こんな療法で治るぐらいだったら、死ぬ人はいない」とって、こうです

 からね。

 お医者さんは絶対だと思っていますし、癌である本人が、

「こんな療法で治るはずが無い」という風に言うわけです。

 父はね、めちゃくちゃ頑固でしたね。

 その時、判ったことはですね、栄養の足らない人っていうのは大体頑固ですね。

 自分の周りを見ても分かると思いますけど、食べ物に関して無関心で空腹さえ満た

 せば、ラーメン餃子でも何でも良いという人がいるじゃないですか。大体性格が良

 い人はいないですね。

 妬みやすかったり僻みやすかったり、全然素直じゃなくてそうゆう方が多いと思い

 ます。栄養と心の構造とは非常に関係があるようです。父もすごい頑固でした。

 そして2度目の抗ガン剤投与に入ったんです。

 「絶対やらないほうが良い」って言いましたけれども、

 「今更医者に悪くて断れない」と言うんですね。

 日本ぐらいお医者さんの顔色を見ながら治療を受けている患者さんていないんじゃ

 ないですかね。

 今更悪くて断れない、ということで2度目の抗ガン剤投与をするわけです。

 もうその時にはぼろぼろですね。誰が見てももう長くはない、と判るくらいの状況

 でした。

 でもやっぱり娘としては、諦めきれないわけですね。ですから、何とかしようと思

 いました。

 自分では危機感が無いんです。ですからはっきり言いました。

 「お父さんの命は」、三ヶ月とは言えなかったので「あと半年だ」と。

 このままベッドに横たわって死を待つのか、それとも自分で生きようとするのか、

 好きな選択をすれば良い」と。

 「お父さんの命だから、どっちでも協力する」と言いました。

 すると、この療法をやってみる、ということになったんです。

 そして私と一緒にアメリカのゲルソン病院、今ではいろんな病院がたくさんあり

 ますが、当時はそのゲルソン病院しか私が分からなかったものですから、その病

 院にすぐに行ったんですね。車椅子で行きました。もうよぼよぼの身体でしたね。

 誰もが、生きて帰ってくるとは思わなかったんではないかと思います。そうゆう

 中で行きました。

 でも死なないもんですね。目的地があればちゃんとたどり着くということが良く

 分かりました。

 車椅子を使うような、そうゆうぼろぼろの状態でも、ちゃんと向こうにたどり着

 きました。

 そして向こうに着いてすぐに栄養素療法というのが始まったんです。

 日本にいるときには、栄養素療法ということを非常に安易に簡単に考えており

 ましたが、本当に過酷なんですね。

 お金もめちゃくちゃかかるんです。大体当時のドルで1ヶ月300万くらいか

 かりました。

 2ヶ月いましたけれども・・・・・そしてやることもすごく大変なんです。

 まず一日13杯の人参ジュースから始まるんですね。これはベーターカロチンが

 大体、15万IUくらい採れるんです。

 ベーターカロチンの採りすぎで死ぬ人がいるなんて週刊誌に出ていましたけれ

 ども、「その病院に行って見ろ」って言ってみたくなりますね。みんな元気な

 んですから。でもね、一杯くらいはいいんですよ。

 もう13杯目ぐらいになったら捨てたくなるような感じですね。

 その他に栄養補助食品はもちろん採りました。そして食べ物はめちゃくちゃ良

 いですね。

 完全無農薬の生野菜、煮たり焼いたりした野菜、果物ですね。それから青汁を

 飲んだり。

 こうゆうふうにやるわけです。すごく過酷でした。それをして、2ヶ月たって、

 約2ヶ月そこにいましたけどね。

 そこの病院にいるときにたくさん本があったんですね。

 たまたま抜いて読んだ本が、この正常分子栄養学のことを言ったロジャー・ウ

 イリアムスの本だったんです。

 そして、それに栄養がどれぐらい身体の機能を開発させていくかがものすごく

 分かりやすく書いてあったんです。

 そこから私はこの栄養学の勉強を始めたんです。

  で、帰国してからチラシにも書いてあったように、森山先生に出会ってです

 ね、そこから皆様の前で講演をするようになりました。

 で、向こうで約2ヶ月過ごして父はどうなったかというと、本当に元気になっ

 て帰ってまいりました。

 一番変わったのはですね、皮膚でしたね。皮膚が抗ガン剤をやっているときに

 はぼろぼろでしたね。

 大体1ヶ月ちょっとくらいで本当につるつるの皮膚に戻りましたね。

 そして体力がものすごくつきました。

 日本にいるときには5分と自分で歩けない身体でしたけれども、毎日歩く練習

 をしたんですね。

 そしたら帰ってくる時には2時間くらい散歩が出来るような状態でした。

 もう栄養というのがどれぐらい身体を開発させて行くかということをですね、

 こう目の当たりにしたわけです。

  又、この講演の中で時間が有れば詳しい話をしていくつもりですが、そうい

 うことがきっかけとなって、本当に身内が一人、生け贄になって始めて分かっ

 たというところなんですけども、こうして栄養学の勉強が始まりました。

 ただ患者さんを持ってよく分かることはですね、本当になってから治すという

 ことがものすごい大変なんですね。

 みなさんね、病気にならないと何かに取り組もうとしないですね。無病息災じ

 ゃないですね。

 一病息災って、どこか一カ所悪いぐらいじゃないと気を付けて生きないですね。

 でも本当に罹ってから身体を起こすのは大変なんです。罹る前に防ぐというこ

 とが最も大切だということを感じました。

 このことを、とにかく伝えていこうと思ってこのお話をするようになりました。

  今日皆さん、おいでになった方はいろんな病気のことを聞きたい人もいるか

 もしれないし、健康に興味の無い人もいるかもしれませんが、本当に罹ってか

 らは過酷ですから、罹る前に防ぐということを学んで行って欲しいですね。

 そしてですね、健康じゃないと誰かの健康について語れないだということなん

 です。

 病気なってからは誰かのために役に立つということは出来ないですね。

 健康な人しか口を開けないですね。健康なうちからいろんな健康の可能性に取

 り組んでいただきたいと思います。



 では本番に入っていきたいと思います。

 ロジャー・ウイリアムスという人がパントテン酸を発見したところからスター

 トします。

 パントテン酸というのはビタミンB5のことです。

 これはですね、あらゆる生物に存在していて、身体の全機能に関わるビタミン

 です。

 これが身体に入りますと毛細血管を“がん!”と開くんです。血液の流れがも

 のすごく良くなります。

 若さを保つには絶対欠かせないビタミンですね。それからシワを防ぎたかった

 ら、絶対必要な栄養ですね。

 それからもう一つ、これが重要なのはですね、私たちはストレスを感じて生き

 ていきますよね。

 今から二時間半黙って座ってそこで話を聞くだけでも、すぐストレスを感じる

 わけですよね。

 このパントテン酸が不足すると、ストレスに対抗出来ないのです。

 その時にどこが一番ダメージを受けるかというと肘を曲げた背中の所に副腎と

 言うところがあるんです。

 ここがダメージを受けるわけです。そうすると身体の全機能が狂ってきますね。

 もちろんホルモンのバランスもぐしゃぐしゃになるし、アトピーとかもこの副

 腎がものすごく関係があるわけです。

 喘息もそうです。アレルギーは大体この副腎が関係しています。

 ここがダメージを受けた時に、これが不足していると非常にダメージを受けや

 すいんですね。

 これがあればストレスに対して、対抗していけるんですね。そういうところで

 役に立つビタミンです。


 もう一つ重要なのはですね、これが無いと他のB1とかB2とかB3とか他の

 B群が思うように働かないんです。

 ビタミンCも思うように働けなくなります。そうゆうビタミンです。これが入

 っているのはですね、ローヤルゼリーだとか、花粉にも入っていますね。

 食べ物で言うと卵とか、たらことか、牛乳とか、そうゆう中に入っています。

 これを発見したのがロジャー・ウイリアムスです。



 そしてもう一つはですね、葉酸の名付け親です。

 葉酸というのはビタミンMとかホーリック酸という言い方をしますけれど、こ

 れも又非常に重要な栄養です。

 そして栄養というのは、単体では働かないんです。必ずチームをなして働くん

 です。

 具合が悪い人によく言われるんです。何を採ったらいいですか? Aですか、

 BですかCですか?

 というふうに聞かれますが、何か一つだけ、かいつまんで採って元気になる方

 法は無いんです。

 必ず相互作用がありますから、どれもまんべんなく採ることが必要です。

 昔からバランス良く、バランス良くと言いますよね。だてにバランス良くとい

 うわけじゃないんです。

 相互作用があるんだということを知っておいてください。

 これはB12と一緒になって、私たちの身体の骨髄細胞の中にある血液細胞の

 元になるものを作っているんです。

 つまりこの葉酸とB12が無いと血液が作れないんだ、ということです。

 これは濃い緑の野菜に多いですね。それから比較的多いのがバナナ。

 それからB12が多いのがレバーとか卵の黄身に多いんです。植物性のものに

 はこのB12は入っていないんです。

 葉酸とB12が無いと、とにかく血液が作れませんから、貧血にはなるし、当

 然流産とか奇形のもとになりますね。母乳なんか出るはずがないですね。貧血

 の患者さんがめちゃくちゃに多いですね。

 輸血をみてみるとですね、エイズの問題なんかがありますね。

 非加熱製剤やなんかで、輸血の問題がありましたけれども私はあれは、厚生省

 がもちろん最悪ですけれども、そこだけ見ていくんではなくて、他から血液を

 買わなければ間に合わないくらい貧血の患者が多いんだということを見ていく

 必要がありますね。

 輸血をされなくちゃいけない身体の状況ということにもう少し責任を持っても

 いいんじゃないかと思うんです。



 日本は世界で一番血液を買っている国なんです。世界で使われている血液の1

 /3は日本が買っているんです。

 世界の吸血鬼って呼ばれているんですね。何の血液を買うかというと、黒人の

 血液を買うんです。

 ですからこうゆうものを採ったら自分の身体で血液を作る可能性があるんだと

 いうことです。

 白血病なんかもものすごい勢いで増えています。お子さんの白血病がすごい勢

 いで増えていますね。

 あれも、これが出来なくなっていった究極ですね。ああゆう状況になっていく

 わけですね。

 NHKなんかでは、移植を待っています、なんかが非常に涙の物語のようにや

 っていますけどね、自分が作る可能性があるというところには全く目を向けて

 いないですね。

 それで骨髄バンクに登録してください。骨髄バンク、骨髄バンク・・・・・、

 本当に骨髄を登録したら治るかというと、車の部品のようにはいかないんです。

 悪い所だけ変えたらうまく走るかというと、そうはうまく行かないんですね。

 身体全体の問題があるわけですね。それを骨髄バンクだけで、バラ色の治療法

 のように言っていますが、そこだけに目を向けてもダメなんだということです

 ね。お医者さんが、そうゆうところにまだまだ目を向けていないようですね。

 そして、このことが非常に重要なんだという記事が、今から3,4年前の読売

 新聞に載りました。

 それは東京医大の第一外科グループというところで、癌の患者さんでたばこを

 めちゃくちゃに吸う人がですね、気管のあたりがすでに全癌状態、こうゆう患

 者さん54人を対象にこうゆう葉酸とかB12をばんばん入れるんです。

 他の栄養も合わせて入れていくんですね。

 そうすると早い人で3ヶ月〜半年、ないしは一年たつうちに殆どの人の癌が消

 えたと、こうゆうデータなんですね。

 すごいな、と思いましたね。すごいな、と思ってその新聞の記事を他の知り合

 いのお医者さんに見せたんです。

 『東京医大さんてすごいですね』と言ったら、そのお医者さんは何と言ったか

 というと「東京医大さんのことですから」。

 東京医大のことであって自分には関係無いという、こうゆう出方だったんです。

 その時にああ、本当に、健康というのは自分が守る必要があると痛切に感じま

 した。

 その実験で使ったのはですね、生レバーを使ったんです。あの中には葉酸とか

 B12がものすごくたくさんあるんです。

 他のB群もすごく多かったんですね。皆さんレバー食べますか?

  O−157があって全然食べないですか? 生レバーを週に一回くらい食べ

 るという人いますか?

 ああ素晴らしいですね。2週間に一回くらい食べる人いますか?

 はい、ありがとうございます。1ヶ月に1回くらい食べるという人?

 結構いるんですね。いつ食べたか記憶が無いという人?

 ありがとうございます。

 レバーがものすごい栄養があるんですね。すでに病気になっている牛のレバー

 は食べられません。

 肝硬変になっている牛って分かるそうです。そしてね、いろんな問題があるっ

 て言う人がいますが、レバーは解毒するところで、毒が一杯貯まっているって

 いう人がいますけれども、解毒する機能はありますけれども、毒が貯まってい

 るわけじゃないんです。現に私はずっとレバーを食べていますけれども何とも

 ないです。レバーを食べてO−157にやられる身体に問題があるんです。

 同じものを食べてもああゆう風にやられちゃう人と、へでもない人がいるわけ

 ですよね。死んじゃう人もいるし、その差は何かというと、やっぱり免疫力の

 差なんですね。

 ですからレバーを食べる習慣をつけたらいいんじゃないかと思いますね。一番

 良いのは生レバーですね。

 にんにくに良いお塩、良いお塩じゃなくちゃダメですよ。それとごま油と、良

 いごま油でね。

 すすっと食べるといいですね。飲み込むように食べるといいですね。つるっと

 入りますからね。

 くちゃくちゃ噛んでいると血だらけになりますから。そうゆう風にして是非試

 してみて欲しいと思います。

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ルミガン