Motorhead
Death or Glory

 レミーがハットに着けている「Death or Glory」の記章。

これは1922年に結成されたイギリス第17槍騎兵連隊のモットーであり、彼らの記章である。
Death or Glory(死か栄光か)、死を恐れずに戦う兵士の勇敢さを表した言葉である。

戦後のイギリスでは、1960年代のロッカーズ、1970年代のパンクスなどの若者たちがこの記章を好んで着けた。
なぜなら、彼らは学校や社会と戦う反逆者であり、「Death or Glory」な姿勢を取っていたからだ。
こうして、この記章は反抗を象徴する記号になった。

モーターヘッドのアルバム『March or Die』のジャケもこの記章をモデルにしている。

 アルバム『Bastards』には「Death or Glory」という楽曲が収録されている。

この歌詞には、歴史上のさまざまな戦いや兵士が登場するが、兵士の勇敢さを称えているのではない。

部族同士の争いから世界大戦まで、殺し合いを繰り返す人間の愚かさが描かれている。
それらの戦争が人間の破壊的な性質を証明しているように、歴史と共に技術は進歩したかもしれないが、人間は政治や欲望に翻弄され、争い、殺し合いを続けているのだと主張している。
この曲のサビでは、戦争の教訓は活かされず、昔から何も変わっていないことを歌っている。

  Death or Glory, Death or Glory,
  Blood and iron it's the same old story.
  デス・オア・グローリー、死か栄光か
  鉄と血、相変わらずだ。

鉄と血(Blood and iron)とは、鉄血政策を意味している。ドイツ統一を目指すために、プロイセン首相ビスマルクが行った軍備拡張政策で、1862年にビスマルク首相が演説した「現在の問題は演説や多数決ではなく、ただ鉄と血によってのみ解決される」との言葉に基づいている。鉄は武器、血は兵士を表しており、武器と兵士の血によって解決される方法に対して、相変わらずだと歌っている。

兵士のモットーである「Death or Glory」(死か栄光か)。
つまり、戦争においての栄光とは相手を殺すことなのだ。

レミーは戦争マニアであるが、戦争推進者ではないし、戦争を美化してもいない。
戦争マニアであるからこそ、その恐ろしさや残虐性を理解しているのだ。
そのことを示すように、レミーは「戦争なんてものはどれもバカバカしい。(略)戦争は愚かな行為だ」(『Burrn!』1991年3月号 p.160.)と述べている。
(2011年9月13日)

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