身近で活躍する乳酸菌

乳酸菌の力によって糖から乳酸を生成する乳酸発酵は、古くから広く自然界で行われている現象で、乳酸発酵を司る乳酸菌も至るところに生息し、その仲間も多く存在しています。この乳酸菌を効果的に利用して作られる私たちの身近にある食品は、はっ酵乳、乳酸菌飲料、チーズ、味噌、醤油、清酒、ワイン、パンなど洋の東西を問わず世界中に広く分布し、その種類も多くあります。

これら乳酸発酵食品の多くは、乳酸菌どうし又は乳酸菌と酵母など他の微生物との共存共生によって作られます。例えば、味噌、醤油、清酒などの醸造製品や漬物などは、乳酸菌と酵母の共生によって特有の味覚を醸し出しています。一方、多くのはっ酵乳や乳酸菌飲料などの乳製品は、単独の乳酸菌や乳酸菌どうしの共生によって作られる代表的な食品です。

また、乳酸菌は、乳製品、醸造製品、漬物類に代表される伝統的な発酵食品だけでなく生分解性プラスチックであるポリ乳酸の製造をはじめ、その他工業用品や飼料、食品添加物などの製造に利用されています。




はっ酵乳の種類

世界各国のはっ酵乳の中には、山羊、羊、馬、ラクダなどの乳を原料としたものもあります。また、乳酸菌だけでなく、酵母を利用したはっ酵乳もあります。
日本のはっ酵乳は、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)第2条に、『この省令において「はっ酵乳」とは、乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌又は酵母ではっ酵させ、糊状又は液状にしたもの又はこれらを凍結したものをいう。』と定義されています。

1.「糊状にしたもの」に分類されるはっ酵乳
ハードヨーグルト
乳等を発酵させ、寒天やゼラチン等で固めたもの又はこれに果汁、甘味料、香料等を加えたもの。
ソフトヨーグルト
乳等を発酵させ、カードを形成させたもの又はこれに果汁、果肉、甘味料等を加え攪拌し、糊状にしたもの。
2.「液状にしたもの」に分類されるはっ酵乳
飲むヨーグルト(ドリンクヨーグルト)
発酵によってできたカードを砕いて液状にしたもの又はこれに果汁、果肉、甘味料、香料等を加えたもの。
3.「凍結したもの」に分類されるはっ酵乳
フローズンヨーグルト
乳等を発酵させたものを攪拌しながらアイスクリームと同じように凍結させたもの又はこれに果汁、果肉、甘味料、香料等を加えたもの。



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